Journey | ディレクター 松下 奈月

Interviewer / Date
- 北見かほり / 2021.06

松下さんは入社3年目の若手ディレクター。新卒で入社した広告会社を約1年で退職し、全くの未経験から飛び込んだWebディレクターの世界で、どのように道を切り拓いてきたのか?今まで歩んできた挑戦の数々と、バイタリティの源を聞きました。
— 自己紹介をお願いします。
松下奈月です。大阪出身で、社会人になった時に上京しました。ハイジは二社目で、元々は広告業界で働いていました。今はディレクターとして、サイトの企画やプロジェクトのマネジメントをしています。
社内では、おしゃべり好きで、人に質問したりしながら色んな人を巻き込んでいくような立ち位置かなと思っています。
— 色んな人を巻き込んで…というのは前の会社でもそうだったんですか?
全然違ったと思います。
— どんな感じだったんですか?
営業職で、毎月の目標値に向けてひたすら営業をかけていくという仕事をしていたんですけど、社風が成果主義な感じだったのもあって、とりあえず言われたことをやっていればお給料もらえるし…というスタンスでコマのように働いていました。
「ここで働かせてください!」で飛び込んだ
— そこから転職を決めてハイジに行き着いたのは、どういう経緯だったんですか?
そんな働き方だったので、自分の仕事に意味が見出せなかったし、言われた通りにやるのもだんだん辛くなってきちゃって…。やっぱり、自分にとって意味を持って働けるって大事だなと思って、辞めようと決めました。
辞めて何をしようか考えた時に、前職は広告運用をする会社だったんですけど、私は、作られたものを運用して大きくするより、何かを作る過程にいたいなと思ったんです。で、退職後に色んな人と話している中で「そういう考え方の人ってクリエイティブディレクターに多いよね」と言われて、「あ、私が目指している先はクリエイティブディレクターなんだ!」って思って。単純なので。笑
— ははは笑
どこかで勉強をしようかとも思ったんですけど、座学があんまり合わない性格なので、まずはアルバイトでいいから現場で経験を積ませてもらいたいなと思って求人サイトを見ていて、その時にハイジを知りました。それで、「本当に何もできないんですけど、制作の道に携わりたいのでここで働かせてください!」って面接で言って…。
— 「千と千尋」みたいですね
そうです。笑
それで入社したので、Web制作がしたい、UI/UXを考えたいみたいな領域にも達してなくて、ただものづくりの現場を肌で感じてみたい、という感じでした。
— なるほど
入社後は千田(弊社ディレクター)のアシスタントについたんですが、入社してすぐから打ち合わせに連れて行かれて、そこで議事録をとったりしていくうちに、UI/UXを知り、自分が今まで使っていたものには一つずつ意味があるんだ!と感動したりして。
千田はコミュニケーションがすごく上手だなと思うんですが、私は技術はないけどコミュニケーションは好きだし、そこが武器になるなら、いったんこの道を極めてみたいなと思うようになりました。ディレクターとして立ち回れるようになったときに、またやりたいことが見えてくるかもしれないしと思い、今に至ります。
— じゃあ最初はかなり飛び込んだ感じだったんですね
そうですね、よく何にも分からなくて飛び込めたよね、って今になって言われます。
入社当初はみんなが仕事をしやすいように社内の環境整備をやりながら、仕事のことを学んでいこうという感じで、お客さんにお茶を出したり、議事録をとったりしていました。あとはずっと本を読んでました。
— どういう本ですか?
UI/UXに関するものや、デザインの考え方、開発の基本の部分、あとリサーチをする上での考え方とかの本です。やってることの基本を学びつつ、だんだん業務に入っていった感じでした。
乗り越えたら楽しいって分っちゃってる
— 知らない世界に飛び込んで、今はとてもバリバリ仕事をしている印象なんですが、そのバイタリティがすごいなと思っていて…
ははは笑
— そういうバイタリティが培われた学生時代のエピソードとかはありますか?
思い当たる節しかありません…
— 笑
例えば、中学生の時にハリーポッターの本を日本語で読んで、そのあと母から「これ実は全部英語で書かれてるんだよ」と聞いて、「読みたい!」と思って、当時英語は全然できなかったのに英語科の高校を目指して本当に入学したり。
大学生の時も、学生主催のファッションショーに出てみたくなって、Twitterでモデルを募集していた全然知らない人に連絡して出演させてもらったり、そこで知り合った人に誘われてエステに通い始めたら私もエステティシャンをやりたくなって、大学と並行で専門学校に通って資格を取ったりとか。
あと、大学でドイツ留学をしたんですけど、それも挨拶くらいしかできないのに行って、最後喋れるようになって帰ってくるとか。
— すごいですね。
でもいつも、壁にぶつかると辛くなって泣いちゃうんです。泣くんですけど、乗り越えたら面白いって分かっちゃってるから自分をどんどん辛い方に追い込んでしまうところはありますね。
私、子供の頃すごく泣く子で、やってみたいけどできなくてぐずぐずしたりして、その度に親に「泣くくらいならやれ」って言われて育ってきました。だから、やらないで後悔するよりも、一時的に馬鹿にされたりするような恥なんて全然捨てれるわ、と思うようになりました。
— 「乗り越えたら面白いって分かっちゃってる」っていうのは、幼少期にそういう経験があったんですか?
うーん、面白かったことがあったというより、面白いふうに捉えるっていう部分が大きいです。辛かったけど、あれがあったから今面白くなってるなと思えるところがあります。今のハイジもそうで、正直続くのかなと思ってたんですけど、振り返ったら面白くなっているし。
続ける中で自分の考え方が変わったり、新しい世界に足を踏み入れようとしているなって感じたりしたときにすごく楽しいなと思います。
だからドイツ語も最初は全然ダメだったけど、話せるようになって、好きな人ができて、告白できるまでになった自分が、楽しい。笑
— え!すごい笑
別にメンタルは強くなくて、壁にぶつかったら泣くし、立ち上がるまでに時間がかかるんだけど、後々、あの時間のおかげで今が楽しいんだって思えるから、何度も飛び込んじゃうんだと思います。
次の目標は「松下ならではの個性」
— なるほど、じゃあ告白がドイツ語のゴールだとして、人生に置き換えたら、いまはどの辺にいるなと思いますか?
これからまた色々広がると思うのでゴールは決まっていないんですけど、少なくともハイジの中ではディレクターとして自分でできることを増やしている段階で、その次は、他のディレクターではない「松下ならではの個性」が制作物に出せるようになるのが目標だと思っています。
その先で、海外での仕事に繋がったり、はたまた、結婚や出産みたいなライフイベントが待っていたりするかもしれないし。その辺りは女性は波があるけれど、柔軟に自分の直感に従って生きられるようにしたいです。
— 直感に従って生きていられるように、していることや考えていることはありますか?
まずは色んな条件を削ぎ落とすようにしてます。自分の気持ちよりも条件を見て選択したせいですごく後悔したことがあるので、そういう条件をいったん取っ払って、自分が何をしたいかを自分に問いますね。その上で起こる困難を、自分で乗り越えたいと思えるか、そこまでしたくはないと思うか考えます。
マイペースなところは変わらない
— では、幼少期から今までで、変わらないなと思うところを1つあげるならなんですか?
マイペースでゴーイングマイウェイなところ。世間の常識に縛られるのも苦手で、小さい頃に結婚式場で花嫁さんを見た時に「結婚って、これ着なきゃできへんの?」って母に聞いたり…。普通憧れると思うんですけど。自分に対してはすごく素直だけど、周りに対しては全然素直じゃないと思います。
— そういうところは、ハイジにおいてはどうですか?やりにくいとかやりやすいとか…
ハイジはそういう人の塊かなと思っていて、自分がハイジの中で変わっているとも思わないし、むしろ普通だと思っています。自分は何もできないな、と思うこともあります。だからこそ仕事の面で「松下はこうだよね」という自分なりの個性を出せるようになりたいなと思っています。