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Journey | ディレクター 北見 かほり

Interviewer / Date

  • 美馬 直輝 / 2023.03
北見 かほり(きたみ かほり)

猫になりたいと公言するほど大の猫好きで、その話し方や雰囲気からは柔らかい印象を受ける北見さん。一方仕事では時に周りを驚かせるほどの芯の強さを見せます。いまの自分は「毎日ロッククライミングしてるみたい」と語る彼女の、これまでとこれからを聞きました。

— 自己紹介からお願いします

北見かほりです。ディレクターをやっていま4年目になります。
ディレクターの他にも年に数回だけWebのライティングをやったりとかしてます。

— ハイジのディレクターにはどんな経緯で?

前職が出版社でUI/UXチームというところに配属されていて、そこの仕事が結構楽しくて。ただ何かものを作ったりするという感じではなかったので、UI/UXっていうのを軸にものづくりをする仕事がしてみたいなって思って転職をしました。

いろんな制作会社の情報を集めたんですけど、ハイジのユーザビリティを大事にしていますみたいなメッセージが響いたなと。

全部の人が使いやすいサイトを作りたい

— どの採用サイトからの応募でした?

リクナビですね。エージェントの人にUI/UXがやりたいですみたいな話と、あとなるべくこう、若い人が多くて人数が少ない会社に行きたいですっていうのを伝えてて・・笑 それで情報をもらった中にあって、という感じでした。

— UI/UXへの興味を持ったのはどういったところからですか?

大学生の時は全然知らなくて、社会人になってからですね。前職でUI/UXチームになったときに色々調べたりして面白いなって思い始めたのがきっかけです。

あでも就職活動のときに“Webメディアでこれから何ができるか”みたいな質問をされて、それまでは全然考えてなかったんですけど、情報を受け取るリテラシーで格差が起きないような全部の人が使いやすいサイトを作りたいみたいな話をした記憶があって、いま思うとその時点でUI/UX的なものに興味があったんだろうなと思います。

ライブ企画サークルで気づいた
ものづくりの楽しさ

— ありがとうございます。学生時代はどんなことされてたんですか?

学生時代はずっとライブを企画するサークルに入ってて。スケジュールを立てて出てくれるバンドを集めて、ライブハウスを押さえて広報して、協賛金も集めて当日運営して、終わったらまたそのお金をもとに次の企画を立てるといった、結構会社っぽい感じのことをやってました。

— 演者はいなくて運営をするためのサークルってことですか?

そうですね、音楽レーベルサークルって言って、大学の学生バンドをもっと世に知ってもらおうみたいな。だから出るバンドも全員大学内にいるバンドで、ライブ以外にもCDを作って文化祭で売ったり、ラジオ局に紹介して出させてもらったりとか。

— どうしてそのサークルに入ったんですか?

もともとはバンドサークルに入りたくて。中高時代に吹奏楽部でコントラバスをやっていたのでベースをやりたくて調べてたんですけど、なんかバンドサークルって大体がインカレのサークルで、新歓に行ったらキャッキャしてる女子大の子達がいっぱいいてこわかった笑

それで他も見てたらライブを企画するサークルがあるぞっていうのを知って。なんかそっちの方が面白いかもと思って入りました。

— なるほど笑 そのサークルで北見さんはなにをされていたんですか?

私はずっと広報局っていうところで宣伝とかを担当していました。広報局長でした笑

— その頃の経験が今につながっているのでしょうか

そうですね、その広報局で毎回ビラを作ったりZINEを作ったり、あとSNSで発信したりとかで結構テキストやコピーを書く場面が多かったんですけど、書く役割を担う部分はつながってる気がします。

あとそれも含めてものを作る仕事は楽しいなと思っていて、就活のときも職種はいろいろだったんですけど「ものづくり」みたいなところには絞って探してました。

6年間を共にした相棒

— 中高時代は吹奏楽をされていたんですね。それは何がきっかけだったんですか?

それは私が行ってた学校がのだめカンタービレっていうドラマのロケ地だったのがきっかけで。私、小学生の時にのだめがすごい好きで、せっかくその学校に入れたから絶対楽器やろうと思って…。で、コントラバスって全然私よりでかい楽器と6年間相棒みたいな感じでした。

— 運んでたんですか?

担いで運んでました笑 外部のコンクールとか行くといろんな男性のスタッフの人とかが持ちますよみたいなことを言ってくれたんですけど、なんかすごい謎の女子校プライドみたいなので「いや、大丈夫です。自分で持てます。」みたいな笑

それがすごい今も残ってるなーって思ってて。こう、人に頼るのとかが苦手な感じがその時に植え付けられたものな気がしてます笑

— 北見さんの、柔らかい印象の中にある芯が強いところはそうした経験から来ているんですね

そんな気がします。

ずっと真面目、たまにヘラヘラ

— もっと小さいころはどんな感じでしたか?

もっとちっちゃい頃は、一人っ子だったのもあって一人で黙々と遊ぶみたいな。でも小学生の時とかは友達とバスケ毎日やったりとかで結構活発な方だと思うんですけど、でもずっと真面目ですね。いまに至るまで。

— 真面目・・?

中高生のときとかは真面目だよねって言われるのがすごい嫌だったんですけど、なんか最近、でもどうせずっと真面目だしな・・みたいな笑

— ずっと真面目なんですね

そうですね笑 小さい時からなんでも一人で黙々とやるタイプで、中高時代もコントラバスって一人でひたすら練習するみたいなのが多かったんですよ。ていう感じのことが続いていて集中して黙々と作業するのが身に染み付いてる。そこはずっと変わらない気がします。

いまもひたすら一人でワイヤーフレームを書いてる時が一番居心地がよかったりするんで笑

でも中高一貫だと周りにも真面目な子が多かったんですよ。自分以上に真面目な子が多かったところで、なんかその、真面目に自分の仕事はやりつつみんなでいるときはちょっとヘラヘラしてる、みたいなところに自然と収まった感じがして。

大学時代もちゃんとはしてたんですけど、ずっとちょっとふざけてたような記憶はありますね。

いまは全然ふざける余裕がないんですけど・・笑、なんか力が抜けたらもう少しふらふらしだすのかな。

毎日ロッククライミングしてるみたい

— ありがとうございます。振り返ってみていまはどんなところにいますか?

人生においてというよりは仕事においてなんですけど、この半年くらいものすごく急な坂にいるような感じがして。

前の会社も1年半くらいでやめて、サークルも3年くらいだったので、初めて長期間ひとつの仕事に取り組んでいるんですよ。最初はあんまりわかんないし、言われたことをやってたんですけど、最近自分で考えなきゃいけないとかスケジュールをちゃんと管理しなきゃいけないみたいな、いままで行ったことがなかった高みに足を踏み入れ始めている感じがするというか。

それが結構難しくて、毎日ロッククライミングしてるみたい笑

これができるようになればいいっていうのは分かってるけどなかなかつかめない感じですね。

— そうなんですね

もうやってられるか!ってなる日もあるんですけど、でも結局楽しかったりして、大変だけどもう少しがんばってみようかなという気持ちです。

— 続けられている理由はなんでしょうか

私、嫌になるとすぐやめちゃうタイプなんですよ。そうですね・・、今もやめたいなって思う時はあるんですけど、やめてない理由は多分その嫌になってるのが自分ができないからなんだと思います。

いままでは人間関係が、とか仕事内容が嫌で、とかだったんですけど、いまは内容は嫌じゃないし人も嫌じゃない、むしろ好きだな〜って思ってるけど、自分ができないから苦しい。それでやめたいってなるんですけど、でもそれは多分自分ができるようになれば解決されていくことなんだろうなっていうのがあって。あとさっきのロッククライミングの話じゃないですけど、なんかもうちょっとで次がつかめそうな気がする、けどつかめない、みたいな感じがあるのでいま辞めたら悔しいだろうなっていう・・。

— 違う景色がみえるところまで登っていけるといいですね

そうですね!

いつか見晴らしのいい平らなところへ

— そんなロッククライミング中な北見さんですが、この先はどんな道が広がっていそうでしょうか

まだまだ結構果ての見えない崖だなって思ってるんですけど、あと数年したら一個上りきれて一瞬平らなところにいけるんじゃないかなって笑 見晴らしのいい平らなところに一瞬でもいけるといいなって・・。飛び級とかあんまりできないんで、真面目にいくしかないなと。

あとは、これが自分の仕事ですって言えるようになりたいです。まだディレクターって名乗るのも、なんか名乗っていいんだろうかみたいに思うこともあったりするんですけど、ちゃんとこれは私の仕事ですって言えるようになるまでは、登っていきたいなって。

あと何メートル登ればいいのかちょっとわかんないですけど笑

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