KIKIMIMI(キキミミ)

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ハイジ・インターフェイスでは、Webやアプリといった2Dの制作物以外にも様々なプロダクトの制作も行っています。2020年10月には、「聴く」意識を高め、耳の感覚を研ぎ澄ますアクセサリー「KIKIMIMI(キキミミ)」を制作し、販売を開始しました。

「PlayEar」プロジェクトから生まれた“耳を澄ませる”ためのアイテム

プロデューサーの荒井が「音楽フェスやライブ会場などで、音楽をより楽しむための新しいライブグッズ」を構想していたところ、新規事業を社内公募する「HYGE LAB」に応募。耳の形状や聴く体験を見直すという観点から、「音を取り込む入力デバイス(=耳)のUI/UXをアップデートするプロジェクト」として「PlayEar」という名称で社内外のスタッフを交えて開発をスタートしました。

当初、IoTガジェットとして検討を行い、LEDやジャイロセンサーなどを組み込んだプロトタイプを試作し、2018年にアメリカ・テキサス州で開催された音楽とテクノロジーの祭典「SXSW」に持参して来場者の反応を探りました。言語の壁を超えて、わかりやすい形状やその体験について概ね好評だったこともあり、一定の評価が得られたことで本格的にプロジェクトとして取り組み、試作を重ねてきました。

その後、金型職人さんとの出会いや音楽業界の方からのアドバイスなどもあり、IoTから離れたアコースティックな形状で「折りたたみができて携帯性に優れ、音楽フェスでも映えるアクセサリー」が完成。実際にフェスやライブ会場でのサンプリングも行い、ユーザーからのフィードバックを得て改良を行いました。そして2020年、本格的な音楽フェスでのコラボや販売に向けた量産計画を立てていたところ、コロナ禍にあって軒並み音楽イベントが中止に。発売も一時ストップを余儀なくされました。

そこでクリエイティブディレクターの堀内氏(STUDIO HOLIDAY)を交えてコンセプトやマーケティング・ストーリーの見直しを行い、「ニューノーマルな生活様式における、聴く体験を大切にするためのアイテム」として位置付け。大声で喋ったり歌ったりすることができない時代に、耳を澄ませることで聴く意識をアップデートしようというアプローチにシフトしました。ネーミングを「KIKIMIMI(キキミミ)」として、Webサイトも立ち上げてオンラインでの発売を開始しました。

反響とこれから

販売開始から、見た目のポップさやコンセプトが着目され、カルチャーメディアやガジェット系サイトなどで紹介されました。地上波のTV番組からは「マスクを着けたままパーテーション越しに会話するなど、人とのコミュニケーションのあり方が変わった現代において、手軽に相手の話し声が聞き取りやすくなるアイテム」として取材依頼も来ました。当初想定していた音楽フェスでKIKIMIMIを体験する楽しみはまだしばらく先になりそうですが、日常生活においても活用され、例えば耳の聞こえに課題がある方からも「話し声や周りの音が以前よりクリアに聞こえて、日々の生活が楽しくなりました」といった声が届いたりしています。小さな一歩ではあるものの、この先に改良を続けていけばそこに新しい市場ができるのでは、という手応えのようなものを感じています。

ハイジ・インターフェイスでは、「人とのあいだにある様々なインターフェイス」をテーマに、これからもUI/UXのアップデートやリブランディングに取り組んでいけたらと思っています。対象はどんなものでも構いませんので、ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。

Project Member

荒井 亮

Producer

noteTwitter

蒲澤 宏

Manager

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